STORY

都会の喧騒から逃れるように、脚本家p.e.nがたどり着いたのは、あたたかい故郷の村だった。かつて脚本家として成功した彼女は、心から輝く物語を紡げなくなり、自分を見失ってしまっていた。

村の祭りでとある老人との出会いが彼女の心に小さな火を灯す。忘れていた創作の楽しさを思い出し、幼い頃に夢中で物語を描いた劇場を訪れた彼女は、埃にまみれた舞台や空席の客席に、自分が愛した脚本の記憶を見出す。

執筆から遠ざかっていた彼女が再びノートを開いたとき、村の風景や人々の姿が言葉となって溢れ出す。それは、かつて自分が捨てた言葉を拾い集めるような時間だった。

3月、strageでp.e.nが完成させた脚本「メルと影のささやき」が上演される。観客の笑顔に包まれるその舞台は、彼女自身の再生の物語でもあった。この物語は、過去の痛みや迷いを抱えながらも自分自身を取り戻し、新たな一歩を踏み出す人々に勇気を与える感動の旅路。失われた言葉が再び紡がれた時、メルが見つけた希望とは―。
